猫の新生子眼炎について

最近、猫の新生子眼炎の症例が立て続いて来院されたので、この病気の概要について紹介します。

新生子眼炎は出生後、目が開くまでの間にみられる結膜嚢の感染症で通常2週齢以内の子犬や子猫に発生する急性化膿性結膜炎のことを指します。

目が開く前に発生するため、結膜嚢に膿が貯まって腫れたり、内眼角(眼頭のこと)からの滲出物により眼瞼全体に目やにが付着するのが特徴です。

新生子眼炎はイヌではブドウ球菌、猫では猫ヘルペスウイルスⅠ型の感染に起因するとされています。

この猫ヘルペスウイルスⅠ型は新生子眼炎に加え、猫ウイルス性鼻気管炎も引き起こすウイルスです。

さらに、新生子眼炎の猫は猫カリシウイルスにも同時に感染しているケースがあり、その場合は口内にびらん、潰瘍がみられます。

お家で子猫が生まれた、または生まれたての子猫を拾ってきた場合に、目が腫れている、目やにがひどい、鼻がブシュブシュしている等の様子がみられたら、猫ヘルペスウイルスに感染している可能性があります。

また、このウイルスはくしゃみをした際の飛沫で感染が成立するので、同居の猫が居る場合、感染が広がってしまいます。

子猫にこのような様子がみられた場合は、お早めにご来院くださいますようお願いします。