最近、膀胱炎のワンちゃん、ネコちゃんを診察する機会が非常に多いです。
1年を通して冬場に発生が多くなる傾向のある病気とはいえ年々数が増えているような印象を受けます。
ワンちゃん、ネコちゃんが膀胱炎を起こしている又は、その疑いがある場合、次のような症状がみられます。
①尿の色調の変化
飼い主さんが最も気付きやすいのがこの症状です。
具体例としては、『血尿』、『尿が濃いまたは薄い』などです。
明らかに血液が混じっていればすぐに分かるのですが、尿の濃淡は意外と分かりにくい場合が多いです。
「いつもとちょっと違うなー。」と感じられ、尿検査をしてみると膀胱炎が潜んでいた、というケースもあるので違和感を感じられたらなるべく早めの受診をおすすめします。
②排尿の様子の変化
尿の見た目に変化が無くても、おしっこの仕方がいつもと違うな、というケースも多いです。
具体例としては、『頻尿』、『おしっこをしようとするが少ししか出ない又は全く出ない』、『いつもと違う場所でおしっこをしてしまう』などです。
本来、膀胱はある程度尿を貯めたら出す、という働きをしています。
しかし、膀胱炎を発症している場合、膀胱が少量しか尿を貯められず、結果として尿の仕方に変化を起こします。
また、炎症がひどく全くおしっこを出せないケースでは尿毒症という病気を併発する可能性もあります。
「さっきおしっこしてたのに、また?」など、おしっこの仕方や回数に変化があった場合もなるべく早く教えてください。
膀胱炎が進行すると、尿中の細菌が増え炎症を悪化させる、あるいは尿のpHが狂い、尿石症を併発する恐れもあります。
いずれにしても早期に発見することが最も重要になりますので、おかしいと感じた場合は様子見をせず、速やかな受診をおすすめします。