毎日暑い日が続きますね。
暑くなってくると人間以上にワンちゃん、ネコちゃんにとって体への負担が増加します。
特に、ワンちゃんが口を開けてハァハァと息をしているところを見掛ける回数が多くなるかと思います。
もちろん暑い時に体温調節をするために口を開けて呼吸をすることもありますが、『息遣いが荒い』『咳をするようになった』などの呼吸器徴候を見た際に疑わなければいけない病気の一つとして心臓疾患が挙げられます。
一口に心臓疾患と言っても様々なものがありますが、普段よく目にする病気に『犬の僧帽弁閉鎖不全症』があります。
図:犬の心臓の構造(interzoo社 飼い主と獣医師のためのインフォームドコンセントガイド より引用)
僧帽弁とは、心臓の中の左心房と左心室を隔てている弁(図の四角で囲まれた部分)のことで、この弁が正常に機能していれば血液は常に一定方向のみに流れます。
ところが、この弁が正常に機能しない、つまり閉まり切らないと血液が心臓の中で乱流を起こし心臓や肺に負担をかけてしまいます。
この病気はどんな子でも発症の可能性がありますが、特に『小型犬』『シニア』の子で診察する機会が非常に多いです。
呼吸器の徴候があり、心臓に雑音がある子は僧帽弁閉鎖不全症を発症している場合が多いです。
一方で、呼吸器徴候がなく心臓に雑音がない子でも、心臓エコー検査を実施すると僧帽弁閉鎖不全症を発見するというケースもあります。
最近、健康診断の際に心臓エコー検査を実施し、僧帽弁閉鎖不全症を発見という症例が増えています。
どんな病気でもそうですが、早期発見が出来ていると後の対応が非常に実施しやすくスムーズに行えます。
呼吸器徴候が出ている子はもちろんのこと、小型犬でシニアに差し掛かっている子は健康診断に心臓エコー検査を合わせてみることをお勧めします。
「心臓エコー検査をうけてみよう」「こんな症状はどうなの」など、気になることがございましたら一度スタッフまでお尋ねください。
文責:獣医師 小川