熱中症にご用心!

みなさま、こんにちは。
梅雨も明けていないというのに猛暑が続いていますね。
というわけで、今年も熱中症に注意したい季節がやってきました。
毎年、本格的な夏に突入する前に熱中症を疑うワンちゃん・ネコちゃんを診察する機会が増えます。
最も多い理由がエアコンをつけていない、です。
夏本番になると人間が暑さに耐えられないので僕たちが注意喚起をするまでもなく、エアコンが動いています。
しかし、この時期は風通しをよくすると人間はなんとか耐えられてしまうのです。
この、人間がギリギリ耐えられる環境というのはワンちゃん・ネコちゃんにとっては限界を超えてしまっています。アウトです
メカニズムとしては、人間は体表面に汗をかくので風通しが良いと汗が気化して体温を下げることができます。加えて、人間は暑いと半袖です。
一方、ワンちゃん・ネコちゃんは体表面に汗をかけないので風が吹いても体温は下がりません。加えて、全身皮毛に覆われているので高体温になるとなかなか下がりません。
想像してみてください。暑い部屋、窓を開けて風通しは良い。でもそこにいる自分は厚手のコートを着ている・・・アウトですね
このように、高体温を招きやすいワンちゃん・ネコちゃんの体温を調節するためには室温自体を管理する必要があり、エアコンをつけてもらうのが最も効果的です。
熱中症は軽度の場合、元気消失・食欲不振・嘔吐・下痢等を起こし、重症化すると呼吸促迫や意識障害、多臓器機能障害を引き起こし、最悪の場合は死に繋がる可能性のある病気です。
人間が耐えられる限界と、ワンちゃん・ネコちゃんの限界が異なる点を理解し、熱中症予防に努めて頂けると幸いです。

文責:獣医師 小川