梅雨〜夏に気をつけたい病気《外耳炎編》

梅雨時~夏にかけてよく起こる疾患として外耳炎が挙げられます。

外耳炎の原因は皮膚バリアの損傷(物理刺激、体の免疫機能の異常etc)や細菌・真菌の増殖、外部寄生虫の感染など多岐に渡ります。

中でも、梅雨から夏にかけては皮膚バリアに問題が出やすい気候であるため、いつも以上に皮膚や耳の様子を気にしてあげてください。

外耳炎を起こしている場合、『耳を肢で執拗に掻く』、『頭を振る』、『耳が臭う』などいつもとは違う様子がみられることが多いです。

外耳炎が生じてから時間の経っていない「急性外耳炎」の段階で治療を開始した場合、治療経過は良好で短期間なケースが多いですが、長めに様子をみて拗れ「慢性外耳炎」の状態に移行してしまうと治療経過は長期化し体への負担も増加します

このような仕草が見られた場合やいつもと少し様子が違うかな、と感じられた場合は早めに来院されることをおすすめします。

また、お家での耳そうじをどうすればいいかというご質問をよく受けます。

結論から言うと『何もしない』がベストです。

耳には本来、内部の汚れや古くなり脱落した皮膚などを耳の外に出す能力が備わっています。

なので、お家で積極的に耳そうじをしてあげる必要はありませんし、綿棒などで掃除をしてしまうと耳の上皮細胞を損傷させる、あるいは外に出されるはずの汚れを中に押し込んでしまっている場合があります

耳の様子を気にかけつつも、介入はしないことがポイントです。

季節問わず外耳炎はよく目にしますが、特に増えるこれからの時期。

お家で気をつけて見ていただくことで早期発見ができる病気なので、耳や皮膚の様子を特に気をつけて見てあげてください。