理解しにくい用語②カタカナ編

みなさま、こんにちは。
今回は理解しにくい用語カタカナ編をお話しさせていただきます。
前回、漢字編についてお話ししましたので、そちらも合わせて参考にしてください。
それでは早速例を挙げて解説していきましょう。

インフォームドコンセント
日本語では、「説明と同意」と表現されます。
獣医師から病気あるいは治療についての説明を受け、飼い主さんが十分に理解し納得した上で同意を得ることを指します。

セカンドオピニオン
現在治療している病気についてあるいはその治療方法について、現在かかっている獣医師とは別の獣医師の意見を聞くことです。
具体的には次のようなケースが考えられます。
治療方法として手術を提案されたが他に方法はないのか知りたい
長期間同じ薬や処置を継続しているが改善する様子がなく、診断や治療方法が正しいのか知りたい
セカンドオピニオンは飼い主さんが持つ当然の権利なので、ご希望される時ははっきりと主治医に申し出てください。

エビデンス
病気を診断するあるいは治療を行う上での根拠のことです。
主に研究報告のデザインによってエビデンスレベルが決められており、原則的にはエビデンスレベルの強い治療が推奨されます。
ただし、例外ももちろん存在するので症例ごとに判断する必要があります。
(エビデンスに関しては別の記事に詳細に記してありますので合わせてご参照ください)

QOL
生活の質あるいは人生の質と訳されます。
人によって抱くイメージがことなりますが、僕は次のように考えています。
「QOLが保たれた生活とは、自分の意思で自分がしたいことを自分がしたいタイミングでできる生活である」
(こちらも詳しくは別の記事で記していますので参考にしてみてください)

ターミナルケア
終末期医療と訳されます。
病気が進行し最期の時を迎える子達が抱える痛みや苦しみを緩和し、少しでもQOLを保った生活が送れる時間を長くしてあげるためのケアです。
ターミナルケアには僕たち獣医師が行なう治療的側面と、飼い主さんにやっていただくケア的側面が存在し、何をどのように組み合わせてやることがその子にとって最良なのかを相談しながら決めていきます。

バイタルサイン
心拍数、呼吸数、体温、血圧、意識レベルのことを指します。
これらが正常値から逸脱していないか、あるいはいつもと比べて数値に変動がないか等をみることでその子の状態を判断します。

ウイルス
生きた宿主の細胞内で増殖する小さな病原体のことです。
用語自体は聞いたことがある方が大半なのですが、細菌との区別がついていないことが多いです。
「風邪の菌が〜」
「インフルエンザ菌が〜〜」
こんな会話を耳にします。
両方とも病原体であるのですが、細菌の治療には適切な抗生剤を使用し一方、ウイルスの治療には抗生剤は使用しません。
細かな違いのように見えるのですが、治療方法が全く異なるのでぜひ覚えておいてください。

今回は理解しにくい用語カタカナ編をお話ししました。
今回紹介したもの以外にも、普段診察や説明を受けている際にわかりにくい表現があればぜひ質問してみてください。

文責:獣医師 小川