怖い!異物誤食!

みなさま、こんにちは。
本日は異物誤食についてお話しさせていただきます。

「うちの子が〇〇を食べてしまったんです!」
こんなお電話をいただくことが多いです。
ワンちゃん、ネコちゃん問わず、異物あるいは中毒性のある食品の誤食は日常生活のどこで発生しても不思議ではありません。
にもかかわらず、生命の危機に直結する場合が多いので注意が必要です。
そこで、本日は異物誤食として報告が多いもの、僕が経験したもので驚いたものをピックアップしてお伝えしてみようと思います。

【布製品、フェルトの切れ端】
最もポピュラーで遭遇機会が多いです。
布製のおもちゃで遊んでいて一部がちぎれたことで誤食してしまった。
靴下や小さなタオルが落ちていて、誤って丸呑みしてしまった。
そして、最近急速に増えているのがマスク(道端によく落ちています)の誤食です!

【プラスチック製のボール、オモチャの欠片】
これも遭遇する機会が多いです。
丸呑みは出来ないサイズのボールやおもちゃでも、使用しているうちに破損し小さくなることで飲み込めるようになってしまいます。
特に、おもちゃに歯を立てて遊ぶ子で発生が多い印象を受けます。

【金属製のアクセサリー】
特に指輪やピアスなどの小さなアクセサリーは、小型犬でも丸呑みできてしまうので要注意です。
レントゲンに映る金属だと、他のものに比べて詳細に形が分かるので衝撃的です。

【フードやオヤツの外袋】
保存しているフードの袋を食い破って盗み食いした際に外袋ごと食べてしまったケース。
あるいは、チュールのようなオヤツを与える際に勢いよく食いつき、外袋ごと飲み込んでしまったケースなどがあります。

【針付き釣り糸】
これは猫で多いです。
釣り用のテグスはしなりがあって猫が好むような糸なのですが、遊んでいるうちに飲み込んでしまうことがあります。
さらに、そこに針がついているケースでは食道や胃に針が引っかかり重篤化してしまう場合もあります。
釣りが趣味で、釣り用品をご自宅に置いてらっしゃる方は要注意です。

【冷却シート】
これは僕が驚いたケースです。
ヒト用のおでこに貼る冷却シートを丸呑みしてしまった子がいました。
中型犬以上ならあり得るかも、と考えていたのですがその子は超小型犬でした。
口のサイズからして、丸呑みは困難と思っていたのですが、実際に吐かせる処置を実施すると、綺麗にそのままの形でシートが出てきました。
未だにどうやって飲み込んだのか謎なのですが、これは無理でしょというものでも飲み込むことがあると勉強になったケースでした。

いかがでしょうか。
今回取り上げたもの以外でも、何故こんなものを飲んだ?というケースが数多くあります。
基本的にワンちゃん・ネコちゃんの生活圏内には誤食の可能性があるものを置かないようにしていただき、万が一誤食してしまった場合は速やかにご連絡ください。

食べてはいけない中毒性のある食品は別の機会に解説しますので、そちらも合わせて参考にしてみてください。

文責:獣医師 小川