ワンちゃん・ネコちゃんの去勢手術について

みなさま、こんにちは。

今回はワンちゃん・ネコちゃんの去勢手術を行なう際のメリットとリスクについて解説していきます。

ワンちゃん・ネコちゃんの去勢手術のメリット・デメリット

「去勢手術ってやっぱりやっておいた方が良いですか?」

日頃診察している際に、とてもよく聞かれる質問です。

飼い主さんの関心も高く、ワンちゃん・ネコちゃんで考え方が変わってきます。

今回はワンちゃん・ネコちゃんそれぞれで去勢手術を行なう際の目的と発生するリスクを分類してお話します。

ワンちゃんが去勢手術を受けるメリット

まずはワンちゃんからです。

ワンちゃんに対して去勢手術を実施する際に得られるメリットは以下の通りです。

①未避妊雌と接触する可能性がある場合、不適切な妊娠が回避できる。

②精巣腫瘍を含む精巣疾患の予防ができる。

③高齢犬に好発する前立腺疾患の予防効果がある。

特に②と③については去勢手術を実施している子としていない子で発生率が大きく変わってきます。

飼い主さんとお話する際も、この点を特に重要視しています。

ワンちゃんが去勢手術を受けるデメリット(リスク)

次に、ワンちゃんに対して去勢手術を実施する際に考えられるリスクは以下の通りです。

①全身麻酔を実施する必要がある。

②去勢手術実施後の体重管理が困難になる可能性がある。

①については全ての手術で発生するリスクであり、去勢手術に関しても例外ではありません。

②については、多くのケースで体重増加傾向を認める印象があります。

体重過多が管理できない場合は個別にダイエットの指導を行ないます。

ネコちゃんが去勢手術を受けるメリット

次はネコちゃんです。

ネコちゃんに対して去勢手術を実施する際に得られるメリットは以下の通りです。

①スプレー様の排尿行動が消失する可能性がある。

②精巣腫瘍を含む精巣疾患の予防ができる。

①については消失するケースが多いのですが、中には全く行動の改善が認められないケースもあるので注意が必要です。

②についてはワンちゃんと比べてネコちゃんでは精巣疾患の発生が稀であるため、主目的として捉えてはいません。

次に、ネコちゃんに対して去勢手術を実施する際に考えられるリスクは以下の通りです。

①全身麻酔を実施する必要がある。

②去勢手術実施後の体重管理が困難になる可能性がある。

こちらはワンちゃんと同様です。

さまざまなシチュエーションで去勢手術実施の是非を検討してらっしゃる飼い主さんがおられるかと思います。

今回お話させていただいた内容は、一般的に去勢手術を実施する際のメリットとリスクについてです。

基礎疾患を抱えている子や特殊な事情があって去勢手術を検討されている場合は、今回のお話だけではカバーできていないので直接獣医師にご相談ください。

いかがでしょうか。

次回はワンちゃんとネコちゃんの避妊手術に関してのお話を予定しています。

こちらも合わせて確認してみてください。

文責:獣医師 小川