ワンちゃん・ネコちゃんの爪切りについて

みなさま、こんにちは。

今回は、ワンちゃん・ネコちゃんの爪切りについてお話させていただきます。

みなさんはご自宅でワンちゃん・ネコちゃんの爪切りをしていますか?

抵抗なく爪を切らせてくれる子、初めは我慢できるけど途中で嫌がってしまう子、そもそも触らせない子などさまざまな状況があるかと思います。

今回は爪切りの導入の仕方、爪切りの選択、爪切りをしないことによる弊害について解説していきます。

ワンちゃん・ネコちゃんの爪切りはどうやるの?

まずは、ご自宅での爪切り導入の方法からです。

幼犬・幼猫時から爪切りを習慣化しよう

爪切りを習慣化するのに最適なタイミングは幼犬・幼猫時です。

ご自宅に来た頃から爪を含めた手先・足先を触ることに慣れておくと、大人になってからも爪切りに抵抗を覚えない場合が多いです。

また、この時期はハミガキを導入するのにも適した時期です。
(詳しくはこちらのハミガキについての記事をご参照ください)

大人のワンちゃん・ネコちゃんの爪切りを習慣化する3つのポイント

また、すでに大人になっている子の爪切りを今から頑張ってみようという場合は、次のポイントを押さえながら徐々に爪切りの習慣をつけていきましょう。

①一気に全ての爪を切ろうとせず、抵抗が出たらやめましょう。

②爪切りが終わったらご褒美(フードや少量のオヤツ)までを1セットにして習慣化する。

③それでも嫌がる子や、飼い主さんが不安な場合は動物病院を受診する。

爪切りは一気に終わらせてしまいたい気持ちはとてもよく分かります。

しかし、気長に地道に行なっていく方法がベストなので、くれぐれも無理はなさらないようにしてあげてください。

ワンちゃん・ネコちゃん用の爪切りはどれがおすすめ?

次は爪切りの選択についてです。

ワンちゃん・ネコちゃん用の爪切りはハサミタイプ・ニッパータイプ・ギロチンタイプ・電動タイプなどさまざまな種類があります。

僕も診察時にどれが良いかを質問されます。

飼い主さんの使いやすい爪切りを選択しましょう

僕の回答としては、

「飼い主さんの手に馴染んで使いやすいものを使用してください。」

これです。

各タイプにそれぞれメリット・デメリットはあります。

実際に使ってみて使いやすいものを選ぶことが事故予防に繋がります。

(ちなみに僕はニッパータイプとハサミタイプを状況に応じて使い分けています)

ワンちゃん・ネコちゃんの爪切りをしないとどうなるの?

最後に、爪切りをしないとどのような弊害が発生するかを解説します。

まずは、伸びすぎた爪が引っかかる又は折れてしまう事故が発生します。

これは、ワンちゃん・ネコちゃんいずれでも発生します。

ワンちゃんの場合、爪が伸びすぎたままで歩くと爪自体が引っかかって損傷するだけでなく、脚を滑らせて肩や膝の関節を損傷するケースもあります。

ネコちゃんの場合、もともと爪を使って木に登るので把持する力が非常に強いです。

そのため、しがみ付いたネコちゃんを引き離す際に爪が剥離してしまったり、あるいはどこかに爪が引っかかった際、パニックになり暴れて爪を損傷するケースが多いです。

次に、伸びすぎた爪が湾曲し皮膚に刺さるケースです。

これは狼爪(いわゆる親指の爪です)でよく発生します。

爪が指の付け根の皮膚方向に向かって伸びてしまい、皮膚に突き刺さりながら伸び続けてしまいます。

こうなると常に痛みが生じ続けるので動かなくなったり、動きが悪くなったりします。

とくに高齢の子でみるケースが多いので、思い当たる方は一度爪をチェックしてみてください。

また、爪が伸びると同時に中に入り込んでいる血管と神経も伸びます。

定期的に爪を切っておかないと、適正な位置で切ろうとしても既に血管と神経が入り込んでしまい、出血と痛みを伴ってしまいます。

アスファルトの上を散歩するワンちゃん達は爪が削れるので発生しにくいのですが、完全室内飼育またはごく短時間の散歩のみの小型犬はこの状況に陥りやすいので注意してあげてください。

いかがでしょうか。

今回はワンちゃん・ネコちゃんの爪切りについて解説しました。

最も身近なケアの一つである爪切りですが、意外と難易度が高い場合があります。

今回のお話が日頃のケアの重要性を見つめ直す機会になれば幸いです。

文責:獣医師 小川