ワンちゃん・ネコちゃんの体温測定について

みなさま、こんにちは。

今回はワンちゃん・ネコちゃんの体温測定についてのお話をしたいと思います。

ワンちゃん・ネコちゃんの体温測定について

前回に引き続き、動物のスタンダードな状態を知るためのトピックです。

ワンちゃん・ネコちゃんの平熱(基準値)ってどれくらい?

まずは、ワンちゃん・ネコちゃんの体温の基準値は以下の通りです。

・小型犬:38.6℃〜39.2℃

・大型犬:37.5℃〜38.6℃

・猫:38.0〜39.0℃

病院で測定すると緊張や興奮から、もう少し高くなる傾向がありますが自宅で安静時に測ると大半の子はこの範囲に収まります。

ヒトよりも2℃ほど高いイメージですね。

ワンちゃん・ネコちゃんの体温測定はどうやるの?

では、実際の測定方法を解説していきます。

動物の体温を測定する部位は直腸です。

手順は以下の通りです。

①可能であれば2人で実施。

一人が体の前の方を押さえながら抱っこし、もう一人が測定を行なう。

②尻尾を上に持ち上げ肛門に体温計を挿入する。

→3-5cmくらい、ゆっくり挿入し測定できるまで留めます。

体温計の先にラップを巻き少量のオリーブオイルを塗ると痛がらずに測定することができます。

③測定が終了したらゆっくり体温計を抜く。

ポイントとしては、運動後や排便しそうなタイミングは避けて測定するようにしてください。

基準値よりやや高い場合は2-3時間後に再度測定し、基準値内に収まっているか確認してみてください。

ワンちゃん・ネコちゃんは直腸以外でも体温測定できるの?

ここで、よく聞かれる質問を一つ紹介します。

それは、

『体温測定は直腸でしか測定できないの?』

です。

これに関してはさまざまな報告や製品が発表されているのですが、今のところ再現性が乏しく安定しない印象を持っているので基本的に体温測定は直腸で実施することをお伝えしています。

将来的に、ヒトと同じようにもっと簡便で迅速に体温が測定できれば動物に対するストレスも軽減できるので、僕自身もそうなることを待ち望んでいます。

いかがでしょうか?

今回は体温測定についてのお話をしました。

前回ご紹介した安静時呼吸数と同様に、健康な子の場合、毎日体温測定をする必要はありません。

あくまで、その子のスタンダードを把握しておくためのものだとイメージしていただければ良いです。

その子の普段の体温を把握しておけば、抱っこして普段よりも熱いと感じた時に本当に体温が上昇しているかを客観的に評価することができます。

実際に測定してみて、

・体温が基準値を超えて元気がない

・元気そうだが40℃を超えている

などは明らかに正常ではないので早急に受診するようにしてください。

今回のお話で、試しにやってみようと思っていただけると幸いです。

文責:獣医師 小川