ワンちゃん・ネコちゃんの膀胱結石について

みなさま、こんにちは。

今回は膀胱結石についてのお話をしたいと思います。

膀胱結石ってなに?

まず膀胱結石とはどのような病気でしょう?

その名の通り、膀胱内に結石が作られてしまう病気です。

症状としては、結石の存在により膀胱粘膜が傷害され、頻尿血尿・排尿痛などが認められます。

また、結石が尿道内に移動すると尿道で閉塞を起こし、排尿困難になるケースもあります。

膀胱結石の種類

この結石ですが、いくつかの種類があります。

・ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)

・シュウ酸カルシウム

・尿酸アンモニウム

・シスチン

代表的なものはストルバイトとシュウ酸カルシウムですが、最近はシュウ酸カルシウムの割合が増加している印象を持っています。

また、膀胱結石は単独で発生しているケースもあれば、基礎疾患の存在により合併症として発生しているケースもあります。

例えば、門脈体循環シャントという病気の場合、尿酸アンモニウム結石が存在しているケースがあります。

逆に、膀胱や腎結石があり、それが尿酸アンモニウム結石であったら、門脈体循環シャントが隠れている可能性を考慮すべきかもしれません。

また、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)という病気では、シュウ酸カルシウム結石が存在しているケースがあります。

これについても、シュウ酸カルシウム結石がある子で、なおかつクッシング症候群の他の症状が認められる場合は、クッシング症候群の検査・治療をおすすめします。

膀胱結石の治療方法は?

次に治療のお話です。

膀胱結石の存在により、尿路障害が生じており、内科治療でコントロールができない場合は外科手術が適用となります。

逆に、内科治療によりコントロールができているケースでは、手術を急がずに経過観察を実施している症例もいます。

ただし、コントロール不良に陥った場合や、将来的に尿道閉塞の可能性がある場合は手術を提案します。

外科手術の後も処方食などでコントロールが必要

手術により結石を摘出したら、その石が何なのかを分析する検査を行ないます。

この結果で初めてどんな性質の結石であるのかが分かります。

以降、結石の種類によっては処方食を用いたり、サプリメントや内服薬を用いて再発予防に努めつつ、定期的な尿検査と画像検査によるフォローアップを行ないます。

結石と結晶は別物

ここで1点、補足があります。

尿検査を行なう際に尿を顕微鏡で見てどんなものが含まれているかを検査します。

この時に結晶が観察されることがあるのですが、

・結晶が確認される≠結石が存在する

・結石が存在する≠結晶が必ず観察される

この2つは必ず理解しておかないといけません。

結晶が存在しているだけで排尿に異常がないのであれば、特に積極的治療を行わないケースもあります。

一方で、膀胱結石の存在が疑われる症例で尿検査を行なっても、結晶が確認できないケースも多々あります。

結石の存在と結晶の存在は必ずしも同意義ではないことを覚えておいてください。

いかがでしょうか。

今回は膀胱結石のお話をしました。

最近、症例が増えているので注意しておきたいと思い、記事を書きました。

特に、単独ではなく基礎疾患の合併症も考えないといけないケースがあるので、気になる方は一度獣医師にご相談ください。

文責:獣医師 小川